基幹相談支援センターの相談員に必要な資格(◇)

お役立ち情報

この記事では、基幹相談支援センターの相談員に必要な資格について説明します。

※計画相談業を行う「特定相談支援事業所」の相談員とは違うのでご注意ください。

相談員は資格持ちなのか?

基幹相談支援センターで働いていると、相談者の方や関係機関の方からこのような質問を受けることがあります。「専門的な相談を受けるのだから、専門資格を持っているのだろう」という考えから、このような質問をされるのかと思いますが、結論から言うと「決まった資格は求められていない」というのが答えになります。                                     ※職場独自で有資格者のみを求めている場合を除きます。

資格がなくても相談員は出来るの??

結論、資格がなくても「出来ます」。そもそも論になりますが、資格というものは、特定の「専門分野」で業務を行う際に必要となるもの、いわゆる許可書的な意味合いがあります。例をあげるなら「医療」という専門分野で必要な資格(許可書)は「看護師」「医師」という資格(医師の場合は免許ですが)ですし、「介護」分野では「介護福祉士」「訪問介護員2級(1級)養成研修課程」、「こころ」の分野では「臨床心理士」「公認心理師」といった感じです。(こころの分野では民間資格でも色々とありますが、お金を払えば取れるものもあるので、ここでは省きます)まとめると、「その専門分野で専門的な業務を行うにあたり、それに見合ったスキルや知識を保持していますよ」と公的に認めたものが資格というわけです。

基幹相談支援センターは一次相談機関であり、寄せられた相談ごとに対して必要なサービスや制度、支援機関に繋げていくことが主な業務になり、専門性が求められる療育や直接支援などは行いません。これが基幹相談支援センターの相談員に資格が必要とされていない理由です。業務の中で生活面に介入することはありますが、資格が必要となる程の専門性が高いことを行うことはありません。むしろ、基幹相談支援センターから繋いだ支援機関に専門性の高さが求められます。そのため、そのような支援機関の職員には専門資格が求められることが多くあります。

基幹相談支援センターの相談員に求められるものは???

基幹相談支援センターの相談員に資格は求められないこでは分かったけど、「それでは何が求められているのか」という疑問は残ります。ここでは基幹相談支援センターの相談に求められるものについて解説していきます。

ズバリ、「幅広い知識」と「常に地域の情報にアンテナを張れること」「社会人としての経験値」、「行動力」です。これらを持ち合わせ、かつ「人のために働きたい」という気持ちがある人なら(所属先とのマッチングという問題はありますが)誰でも相談員になれる可能性があります。上述した求められるものに関して、簡単に説明します。

※ここでいう「相談者」とは本人及びその家族、関係者を指します。

◇幅広い知識

相談者の方は様々な課題や悩みを抱えています。そのサポートのきっかけとして福祉サービスや制度などを紹介するっこともあります。ある程度は医療面のことや、療育、直接支援方法についても知識を備えておかなければいけません。そういったことを含めて相談員には「幅広い知識」が求められます。

◇常に地域の情報にアンテナを張れること

相談者の方のサポートは何も福祉分野のサービスだけを使えば良いというわけではありません。国や行政が定めたフォーマルなサービス以外にも、地域に根差したインフォーマルなサービスも組み合わせてサポートを行います。そして地域のインフォーマルなサービスは日々、工夫を凝らしながら展開されています。フォーマルかインフォーマルを問わず、その細かな情報を常にキャッチ出来るようアンテナを張り巡らせておくことも必要です。

◇社会人としての経験値

相談者の方の多くは苦しい時間を過ごされています。残念ながらその苦しさを当事者と同じレベルで理解は出来ませんが、気持ちや状況を想像し思いを巡らせることは出来ます。そしてこれは社会人としての経験値が多ければ多いほど、様々な情報や状況、感情を推察し思いを巡らせやすくなります。勿論、経験値がすべてではありませんが大切な要素ではあります。また人生経験を積んでいると、何かトラブルが起きてもそれほど慌てずに対処することが出来るようになります。基幹相談センターの相談員の平均年齢が割と高めなのは、これらも関係していると思われます。

◇行動力

相談員は相談を受けて、ただ必要なサービスや制度、支援機関に繋げれば良いというわけではありません。本人や家族に自分で動く力があれば良いですが、力尽きている人やその能力が障害や病気等で制限されている人も多くいます。また「このサービスや支援が必要だ」と思っても、当事者や家族、時には支援機関(!)が拒否的な態度をとることだってあります。また既にサポートが行われていても、関係者がバラバラに行動していることや、支援者同士で対立しているなんてこともあります。そのような時に基幹相談支援センターの相談員は説得に赴いたり、協働を呼びかけたり、関係の調整に奔走したりと役割は多岐に渡ります。受け身的な態度では到底務まりません。自分から飛び込んでいく行動力も大いに求められています。

まとめ

以上が、基幹相談支援センターの相談員に求められる資格についての説明になります。基幹相談支援センターの相談員の中には、相談員になるまでの過程で独自に勉強するなどして資格を有している人もいますし(主に社会福祉士、精神保健福祉士、相談支援専門員)、保持している資格分野を強みとしている人もいます。職場の就業規則によっては「資格手当(※国家資格)」を定めている所もあるでしょうから、手当てをもらうために必要になることもあります。「必要ではないけれど、あれば役に立つ」ものではありますので、これから資格を取ろうと考えている人、現在勉強中の人は安心して資格取得を目指してください。私も現在ある資格取得に向けて勉強中です。一緒に頑張りましょう(*^^)v

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